Kuniyoshi 国芳: 伊勢国の山中で怪猫を退治する鎌田又八
作者: 歌川国芳 (1798-1861)
題名: 「蒲田又八 伊勢国の山中で怪猫を退治する」(Kamada Matahachi Seishū Matsuzaka no hito musō kyōryoku nari dōkoku Suzuka no sanchū nite toshifuru daineko wo korosu) 制作年: ca. 1840
黄色い目をした巨大で筋骨隆々の化け三毛猫が、又八に地面へ押さえつけられ、又八は最後の一撃に備えて刀を構えている。国芳ならではの躍動感あふれる表現により、英雄の衣はその動きに合わせて大きく翻り、ついに捕らえられた怪猫の苦悶と怒りが伝わってくる。英雄の顔は流れる髪の光輪に縁取られ、肌には明暗法が施され、たくましい筋肉が際立っている。洞窟のような背景と異国風の花々から、そこが幻想的な空間であることがわかる。背景には猫怪物の二股の尾が垣間見える。猫の毛並みには空摺りが用いられている。 蒲田又八は、黄表紙系の戯作である黒本に何度も登場する英雄的人物であった。伊勢の松阪に生まれ、江戸へ旅して英雄的な武勇を示し、悪人を退治した。ここでは、勢州の山中に潜んでいた怪猫を打ち負かす姿が描かれている。この場面は、1769年の先行作『蒲田又八化物退治』に基づいている。猫の移ろいやすい性質に、狩りを好み、その表情の読み取りにくさが重なり、怪物へと変身させる題材として好適だった。特にこの状態では希少。
状態: 印象良好、色と保存状態ともに非常に良い。上下に若干のトリミングと折り目あり。右端の表面に紙片の残りあり。寸法: ôban (36.9 x 25.8 cm)
版元: 蔦屋吉蔵
参考文献: Robinson, B.W. KUNIYOSHI The Warrior Prints p.10. Ann Yonemura, et al. Masterful Illusions: Japanese Prints from the Anne van Biema Collection. Seattle and Washington. cat. 78, pp. 210-211. Paget, Rhiannon. Divine Felines: The Cat in Japanese Art. Tuttle (2023), p. 131. アジア美術国立博物館。 署名: 一勇斎国芳が
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