国芳:正月にボールで遊ぶ猫の原画下絵
作者: 歌川国芳 (1798-1861)
題名: てまり遊びを邪魔する猫の新年の遊びのための下絵
制作年: 1830年代〜1840年代頃
絵本(挿絵入り本)のための原画の下絵。国芳はここでその物語を紡ぐ才を存分に発揮し、筆の無駄な一画もなく、まとまりのある場面を生み出している。床の上に集まる若い女性たちが描かれており、未婚の娘が着る長い袖の着物、振袖を身につけている。彼女たちはてまりの球を使う新年の遊びをしていたことがわかる。背景に慎重に置かれた神社と、上に柑橘が載った大きな鏡餅があることで、新年の場面だとわかるのだ。そこへ一人の男がちょうど入ってきたところで、場の誰もが驚く中、猫が球をさらってしまい、娘たちの遊びが中断されたことに気づく。国芳が描いた空の見出し枠がいくつかあり、これは合巻ではない本のためのものだった可能性がある。合巻にはあまり余白がなく、詰めて書き込む形式だからでもある。国芳は猫好きとして、また猫をユーモラスかつ綿密に描いた作例で知られている。1877年の有名な挿絵本『諧斎画譜』では、弟子の暁斎が、国芳が弟子に筆さばきを示そうと身をかがめる傍らで、何匹もの猫に囲まれた国芳の画室を描いており、その中には師匠の着物に潜り込んだ一匹もいる。
合巻(挿絵入り小説)は、19世紀を通じて数量面で日本の小説の主要な媒体であり、その人気ゆえに1807年頃から1867年頃まで、年間40〜50点ほどの新作が生み出された。合巻は草双紙の中でも最も凝った形式で、ベストセラーの田舎源氏のような作品を含む連載形式の作品もあった。草双紙はいずれも小さめの紙を用い、挿絵は構成と魅力において極めて重要な要素だった。草双紙のほとんどが江戸で制作されたことを考えれば、想像力に限界がなく、比類のない生き生きとした物語挿絵を生み出せる国芳が、版元や作者に重用された理由もよくわかる。小さな判型であってもその筆の巧みさは十分に味わえ、各人物のほぼあらゆる部分が完成した形で、しかも完璧な姿勢で描き出され、修正の跡もない。興味深いのは、本文と挿絵が各ページを共有し、まず挿絵が描かれ、その後にセリフや叙述が余白を埋めるように加えられた点である。ここでも、人物の周囲にかなりの余白があることがわかる。来歴: Samuel Tuke
状態: 全体として非常に良好な状態。裏打ちなし。左側に綴じ穴あり。
寸法: 17 x 20.4 cm
SKU: DRW506