稲荷社 の菜種花 安部保名
芸術家: 歌川国貞(1786-1864)
タイトル: 稲荷社の菜種花 安倍保名
シリーズ: 當盛見立 三十六花撰(現代歌舞伎俳優を三十六花(詩の不死者)になぞらえる)
日付: 1861
稲荷社の菜種花 安倍保名。このシリーズでは、俳優が36種の花や36人の詩の不死者と比較されています。ここでは、俳優の市村宇左衛門13世/尾上菊五郎5世が安倍保名の役を演じています。安倍保名は、狐の女性葛葉と結婚した心優しい男で、彼らの息子は宮廷の魔術師安倍晴明となりました。彼は異例の髪型で、両側がふさふさしており、後ろ髪が長く、片手が曲がっているのにもう片方の手には扇子を持っています。これらの属性はこの役に特有である必要があります。これは、芝居「芦屋道満大内鏡(安倍保名と白狐女葛葉)」からのもので、魔法の白狐が葛葉の姿を取り、安倍保名と結婚し、6年前に葛葉という名前の女性と婚約していた男である安倍保名と結婚します。彼らの子供が5歳のとき、本物の葛葉と彼女の両親が阿倍野の小屋に現れ、安倍保名は実際には彼の妻が狐の女性であることに気づきます。狐の女性葛葉は、自分の手が再び足に戻りつつあるため、口だけを使って別れの詩を書かなければならず、彼女は息子と夫を残して信太の森に戻り、去らなければならないことを知っています。彼女の息子は、彼の魔法の血統のおかげで強力な陰陽師、魔術師に成長します。この物語のさまざまなバージョンや一部を描いた浮世絵のデザインが多数あります。
右側の黄色い花はナノハナ(Brassica napus)の花で、日本では植物が花を咲かせる前の早春に野菜として食べられます。俳優の上には2匹の蝶が舞っています。背景は非常に珍しい空色です。後の版では、MFAボストンの例のように、はるかに暗い灰色の背景があります。
状態: 印象、色合い、状態ともに優れています。左側にわずかなトリミングがあります。珍しい青い背景に対して、ミカのハイライトが施された重厚で豪華な紙に印刷されています。これはこのデザインのデラックス版であるはずです。
寸法: 大判(36.3 x 24.5 cm)
出版社: 平野屋新蔵
参考: 大阪城博物館、見立の世界(2004年展覧会カタログ)、#37。MFAボストン、大英博物館を参照。
署名: 豊国画
SKU: KUS549