芳年:市川団十郎九代目の勧進帳の弁慶三部作

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作家:月岡芳年 (1839-1892)

タイトル:勘進帳の弁慶役、市川団十郎九代目 制作年:1890年4月

団十郎九代目は右手に巻物を握り、その存在感が三枚続きの全体を満たし、背景の細部は省かれています。深いラピスラズリ色の地に際立ち、その表情豊かな顔にすべての焦点が当てられています。彼は山伏の黒い帽子と白いふわふわの房飾りのついた法衣を身にまとった旅の僧侶に変装しています。これは有名な演目「勘進帳」からのもので、黒澤明監督による映画化もされています。物語は義経とその一行が敵の国境を山伏に変装して密かに越えようとするものです。劇中、弁慶は寺の修復資金を集めていると守衛を説得し、白紙の巻物から説得力のある偽の手紙を読み上げます。ここではその巻物が彼の手に見えます。芳年の代表作の一つとされ、晩年の役者三枚続きは彼の最も力強い作品群と評価されています。房飾りと紐には空押しが施され、法衣には金属顔料が使われています。来歴:俊方。俊方は芳年の主要な弟子の一人で、未発表の素描やここに見られるような非常に初期の刷りの版画を含むコレクションを所有していました。

状態:刷りと色彩は優秀。非常に良好な状態。顔料の移りや俊方の大きな印章が一部にあります。
版元:秋山武右衛門 サイズ:各シート約36.5 x 24.2 cm
文献:コールコレクション38番参照。『美と暴力』146ページ68番。キーイズ516。秋田県立近代美術館『月岡芳年 天才最後の浮世絵師』1999年、25ページ65番。岩切百合子『芳年』2014年、194-195ページ306番。シカゴ美術館、ハーバード美術館、FAMSF所蔵。

印章:俊方(各シート) 署名:応需芳年画

SKU: YOC076S