伊東深水: 劇的な舞踊–道成寺(販売済み)

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作家: 伊東深水(1898-1972)
タイトル: 舞踊劇――道成寺 日付: 1932年

印象的で大型のフォーマットの版画です。能楽師の大胆な着物が空間を埋め、下方から見上げると急峻な山の形を作り出しています。背景には、渦巻く灰色のテクスチャーの中に桜の花びらが舞い落ちる様子がうかがえます。この非常に希少なデザインは日本国有鉄道の依頼で制作され、道成寺の青銅の鐘と縞模様の屋外劇場の幕を背景にした大型リトグラフポスターに貼り付けられていたと考えられます。チャゼン美術館の所蔵品は、1933年のシカゴ万博でエドワード・バー・ヴァン・ヴレックが日本旅行局から購入したものです。このサイズの木版画は、これほど大きな桜材の板を見つけること自体が困難であり、作品自体を正確に摺るには高度な技術が必要だったため、独特の課題がありました。

『娘道成寺』は、有名な能「道成寺」を歌舞伎に翻案した舞踊劇で、1753年に江戸で初演されました。この踊り手は、道成寺の僧に恋をした若い女性・清姫であるに違いありません。花で飾られた帽子と、曲がりくねる水流に様式化された花が描かれた赤い着物は、この役柄に結びついた衣装です。

下部余白に英語タイトル印刷あり:「A Theatrical Dance entitled 'Dojoji,' Artist- Ito Shinsui. Wood-cut Printing by S. Watanabe, Tokyo.」

状態: 極めて良好な摺り、色彩、保存状態。この作品には裏打ちが施されており、これは元々ポスターにしっかりと貼り付けるために制作時に施されたものと推察されます。寸法: 60.3 x 25.5 cm
発行者: 渡辺庄三郎
参考文献: 渡辺忠・伊東深水『伊東深水木版画全集』1992年、114-115頁、No.74;エイミー・リーグル・ニューランド、浜中伸二『The Female Image』2000年、75頁、No.80。チャゼン美術館コレクションおよびホノルル美術館コレクションも参照。
署名: 深水画

SKU: SNC110S