川瀬巴水:冬の月(戸山ヶ原)(売り切れ)

  • Sold.

絵師:川瀬巴水
タイトル:冬の月(戸山ヶ原)
日付:1931年(昭和6年12月)

満月が冬枯れの木々と優雅な冬の情景との間で魅力的な力を放ち輝いています。柔らかい霧が遠くの街の光を覆い、黄色く輝きます。前景の色合いは霧、そして空へと美しく溶け合っています。巴水はこのシーンを1920年に初めて描きました。のちに1920年のデザインについて巴水はこう語りました。「私は弱々しくも優雅な老婦人の化粧に例えられる冬の月を描きたかった。夜になったばかりであってもその光景は寒々しく人影もない冬枯れの木々の中で、遠くの森にぼんやりと見える光が不気味に感じました。月は青白い光を放っていました。」
戸山ヶ原は現在の東京都新宿区にあり、この自然の静かな景色と比較して今ではコンクリートの森に近いことは間違いありません。
この作品は初摺りであり、最も古い戦前の土井貞一の版元印が押印されています。Hoteiカタログに掲載されている作品にも同じ版元印が押印されています。また左下には摺師(後藤)と彫師(藤川)の押印があります。

コンディション:色、状態ともに良好。
寸法:大判(39× 26.3cm)
版元:土井貞一
文献・展示:HOTEI #260、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ボストン美術館、チェゼン美術館、セントルイス美術館オンライン
サイン:巴水

SKU: HAS612