巴水: 駿河由比町からの富士山 (販売済み)

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作家:川瀬巴水 (1883-1957)
タイトル:駿河由比町からの富士山
シリーズ:東海道風景選集
制作年:1934年 昭和九年二月

駿河の由比町。富士山の雪をかぶった頂上がオレンジ色の地平線の上にそびえ、穏やかな霧の中にその有名な円錐形の輪郭が柔らかく見えています。夕暮れ時のようで、風景は秋のような色合いですが、左の木のてっぺんが裸なので、作品の制作月から考えて冬かもしれません。女性が小さな村人の集まりに向かって坂道を下っています。私たちの視点はかなり急な斜面からで、建物は段々畑のように配置されています。ここは東海道の道そのものかもしれず、もしかすると薩埵峠の麓に向かって下っているところかもしれません。由比町は伊東郡の町で、2008年に静岡市清水区に編入され、伊東郡は解消されました。由比は今も東海道の宿場町であり、この宿場は広重の「保永堂東海道」シリーズで最も有名に描かれています。

1932年から1941年まで使用された戦前の渡辺「D」印が右端にあります。

状態:非常に良い刷り、色彩、状態。
寸法:大判(39.2 x 26 cm) 出版社:渡辺庄三郎
文献:奈良崎宗重『川瀬巴水木版画集』1979年、No.181。ケンドール・ブラウン『川瀬巴水:完全木版画集』法政出版、2003年、No.227。バージニア美術館アジア美術館コレクション参照。
印章:川瀬
署名:巴水

SKU: HAS636