鳥居(上野)忠正:曽我兄弟の歌舞伎化粧(販売済み)
作者:鳥居(上野)忠正(1886-1960)
題名:夜討曽我五郎の隈化粧(夜討曽我五郎ノ隈)
シリーズ:続隈取十八番(続隈取十八番) 制作年:1942年
曽我五郎の隈化粧を施した歌舞伎役者。背後に雨が降り、刀を抜こうとしている姿で、顔には激しい決意の表情が浮かんでいる。赤は復讐への熱意を強調し、鬘は動いているかのように見える。衣装の二つの房飾りや顔の一部には盲刷りが施されている。曽我兄弟の物語を描いた歌舞伎は非常に有名で、1193年に若き二人が父の仇を討った話は、日本の三大仇討物語の一つに数えられている。
上野忠正は鳥居清忠(1875-1941)の弟子で、17世紀から続く鳥居派の伝統を受け継ぎ、歌舞伎のジャンルに専念した。忠正は戦時中に十八番の歌舞伎隈取を描いたシリーズを制作し、1940~41年に渡辺庄三郎から出版された。本作は1941年に発表された第二シリーズのもので、十八作品中七作品のみが完成している。歌舞伎の隈取は非常に厳格な伝統に則っており、有名な役者のみがわずかな改変を許されていた。
1935年から1941年に使用された渡辺の印が左余白にあり、初版と見なせる作品である。
有名な曽我兄弟の演目『夜討曾我狩場曙』より
状態:刷りの状態、色彩、保存状態ともに優良。左上に小さな汚れがあり、元の裏打ち糊の痕跡。額装歴なし。左上余白に折れ跡あり。寸法:40 x 27 cm
出版社:渡辺庄三郎
参考文献:シリーズ全体の情報はmjpapウェブサイトをご参照ください。
SKU: TDM010