広重:隅田堤闇夜の桜
絵師:歌川 広重 (1797-1858)
タイトル:隅田堤闇夜の桜
発行:1847-48年
隅田堤闇夜の桜(すみだつつみ やみよのさくら)。
ほぼ単色の河川を背景に、3人の美女が夜桜を楽しんでいます。反対側の川岸には料理屋の光、川には屋形船が見えます。
左側の女性は提灯と土産物を持っている使用人のようです。提灯には「小倉庵」という料理屋の名前が書かれています。
「待って!」と言うかのように右手を振る女性。女性が何層もの着物を着ている様子から夜はまだまだ冷えこむようです。彼女たちは歩きやすいように着物の裾を持ち上げています。
これは有名なデザインで肖像画と風景をさりげなく統合する広重のスキルを際立たせています。
当時、美人画は国貞が多く描いていたため、広重の美人画三枚続きは非常に希少な作品です。
コンディション:非常に優れた色合いと状態です。各版画の右端に沿って細い折れ目があります。
寸法:大判三枚続(36.1 × 75 cm)
版元:伊勢谷市兵衛
サイン:広重画
印:菊、名主双印(濱・衣笠)
文献・展示:Van Vleck Collection(p.195)、Baur Collection(Matthi Forrer著・1994年刊行・プレートG565)
SKU: HIC118L