国貞:両国橋の花火と蝙蝠の与三郎と安寿の二連画(売約済み)

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作者:歌川国貞(1786-1865)
タイトル:両国橋二曲屏風図 団十郎と中村鶴蔵

シリーズ:江戸の花名勝会(江戸の花と名所絵) 制作年:1863年

右は横山の与三郎役の七代目市川団十郎。最近のヤクザの一味との抗争で負った傷跡が見える。左は相棒の中村鶴蔵初代、横綱の安、通称「コウモリの安」。コウモリ型の顔の刺青を持ち、提灯を持っている。左の画面は両国の十一番組北組を描く。各役者の頭上には家紋が描かれ、背景は木版の自然な木目を浮き立たせる技法で仕上げられている。両者の間には両国橋の上に夜の花火が漂う二曲屏風が描かれている。風景のデザインは広重二代目によるもので、書は「竹堂書」と署名されている。1885年には芳年がこの二人のキャラクターを描いた素晴らしい二曲屏風を制作している。詳細は https://egenolfgallery.com/products/yoshitoshi-the-story-of-otomi-and-yosaburo-with-yasu-the-bat?_pos=1&_sid=79d8a0faf&_ss=r を参照。

「江戸の花」という言葉は、火事を指すこともある。このシリーズの各版画の題字パネルには、各地区に割り当てられた消防組(火消し)の提灯と纏(まとい)が描かれている。隅田川の西側には、かな文字の記号にちなんだ48の組があり、1から10までの番号で8つのグループに分けられている(不吉な数字の4と7は除く)。川の東側では組は番号で呼ばれ、方角ごとのグループに割り当てられている。郊外地区は特別組(番外)でカバーされている。各題字には組の名前または番号、グループ、地区名が記され、それに合わせた歌舞伎の場面が選ばれている。各版画は江戸の個々の地区の最も有名な特徴を強調し、その地区の風景と関連する歌舞伎役者の肖像を含んでいる。デザインは多層的で、右上には特定の消防組の纏と提灯が、左上には通常はマジックランタンのスライドが描かれている。下部には一つか二つのデザインがあり、国貞が役者の肖像を描き、他の(シリーズ全体で21人もの)様々な画家が風景画を担当している。

状態:非常に良好な摺り、色彩、保存状態。 寸法:大判二曲屏風(各紙約35.3 x 24.2 cm)
出版者:加藤屋岩蔵(清兵衛)
参考文献:このシリーズの他の作品はMFA、FAMSF(アチェンバッハ)美術館のオンラインで参照可能。
署名:豊国画、広重画

SKU: KUS567