Kitamura Imazo:秋の阪神パーク
作家: 北村今三 (1900-1946)
題名: 阪神パーク (Hanshin Paaku) 制作年: 1939年5月
シリーズ: 新日本百景 (Shin Nihon Hyakkei)
手前には帽子をかぶった男性たちが興奮気味に身振りをしている。彼らはサルに見とれているのか、それとも右へ飛んでいく乗り物の上の人々を応援しているのだろうか。ここは西宮の阪神パークで、霊長類の展示と、右方向に飛行機が飛ぶように見える遊具を見下ろす観客の視点で描かれている。この遊園地には電動式の遊戯施設のほか水族館と動物園もあり、競馬場に隣接していた。戦局の進展に伴い、この公園はやがて軍事目的に転用された。彫りの素朴さは、どういうわけかこの場面の子どもっぽい雰囲気にぴったり合っている。シリーズの他の作品と同様に、希少な図柄である。
北村今蔵は、神戸で川西英と春村大塩とともに三高会を結成した。メリットによれば、彼の作風は素朴な彫りに特徴があり、川西英の影響を強く受けていた。彼は第二次世界大戦の終わりごろに亡くなった。
1938年から1941年にかけて刊行されたこの版画シリーズは、地域紛争がやがて第二次世界大戦へと拡大する中、30人以上の創作版画家が協力して制作した。実際に刊行されたのは39点のみで、最後の29点は前川千帆が編集した。ニューサウスウェールズ州立美術館のウェブサイトによると、このシリーズの出版は、第二次世界大戦中に日本の内情が敵に知られることを恐れた日本当局によって中止されたという。戦時下の被害妄想を考えれば驚くことではないが、資材不足や、芸術家たちが戦争機構に動員されたことなど、他の要因もあった可能性が高い。
シリーズ名は右余白に赤字で押され、作家グループ名「日本版画協会選」("Selected by the Japanese Print Association")は左下に押されている。
状態: 刷り、色、状態ともに優れている。 額装歴なし。作家名が鉛筆で右下余白に書き込まれているが、これは作家本人以外の人物によるものと思われる。
文献: Carnegie Museum of Art 89.28.713.13、British Museum、Art Gallery of NSW のオンラインコレクションを参照。 寸法: 24.9 x 32.3 cm
署名: 今三
SKU: SNH014