Oda Kazuma: 築地東劇の夜景 (SOLD)

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作家:小田一馬 1882-1956
タイトル:築地東劇夜景 制作年:約1930年

東京劇場は約1930年に築地で開館しました。これは建物の片側の翼からの眺めで、メインの入口と思われる場所が描かれています。群衆がシルエットで描かれ、明かりに引き寄せられています。上部のドームは明るく輝き、暗い空に向かって光が流れ出ている様子が見えます。また、数台の自動車も見えますが、これは輸入車であったはずで、日本での自動車生産が本格化したのは1930年代以降です。この大きな劇場は約1900席を有し、歌舞伎座から約2ブロックの距離にありました。1952年まで歌舞伎を上演し、その後歌舞伎座が再建されるとロードショーシアターとなり映画を上映しました。現在は取り壊されており、その正面は当時の絵葉書で知られています。

小田一馬は1898年にリトグラフを学び、数年後には東京の小柴リトグラフ工房でデザイナーとして働きました。その頃、ヨーロッパの画家エミール・オルリックと交流し、彼のリトグラフ作品に影響を受けました。1918年には日本創作版画協会(日本創作版画協会)の創設メンバーとなり、唯一のリトグラフ作家として参加しました。小田は渡辺版画店からも数点の木版画を出版し、ここにあるような自費出版の木版画も制作し、一般的に少部数で発行しました。

小田一馬は創作版画と新版画の両方の世界で活動し、自ら彫りと摺りを行う一方で、出版社や職人と協力して新版画を制作しました。この作品は自彫り・自摺りと伝えられています。

状態:印象・色彩ともに優秀。状態は非常に良好。余白にわずかな皺と小さなシミあり。裏面に貼り跡の残存あり。寸法:25.2 x 36 cm
署名:鉛筆で「Kazuma Oda」

SKU: OKZ017