Oda Kazuma: 咲き誇るアザミの花と富士山(売約済み)
作家:織田一麿 1882-1956
タイトル:小笠坂峠から望む咲き誇るあざみと富士山
織田一麿作自画石版 日本名山画譜 第一輯 第ニ図 制作年:1938
色彩石版画の技術を存分に発揮した大判作品。前景には鮮やかで目立つ富士あざみ(Cirsium purpuratum)が描かれており、これは実際に富士山周辺に自生し、日本のあざみの中で最大種です。多くの日本の風景画で見られる鳥瞰図ではなく、珍しい兎の目線の視点で描かれています。富士山はまるで地面から植物と並行して伸びているかのように見えます。限定20部のうちの一枚で、裏面には作家の手書きのメモがあります。メモには「(富士あざみの咲く かご坂峠の景)小笠坂峠から望む咲き誇るあざみと富士山(赤い印あり)」と記されています。(織田一麿作自画石版 日本名山画譜 第一輯 第ニ図)織田一麿自身による石版画作品集「日本名山画譜」第一輯の第二図です。
織田一麿は1898年に石版画を学び、その数年後に東京の小柴石版画工房でデザイナーとして働きました。その頃、ヨーロッパの画家エミール・オルリックと交流し、彼の石版画に影響を受けました。1918年には日本創作版画協会(日本創作版画協会)の創設メンバーとなり、唯一の石版画家として活動しました。本作は約6点のセットの一つで、関東大震災前の貴重なデザインです。織田の石版画はシカゴ美術館、スミソニアン、ボストン美術館、ロサンゼルス郡立美術館など、アメリカの主要な美術館のコレクションに多数収蔵されています。
状態:印象・色彩ともに優秀で、非常に良好な状態です。紙にわずかな薄い黄変があります。サイズ:38.8 x 53 cm
署名:鉛筆で「Kazuma Oda 1939」と署名、手書きのエディション番号17/20付き
SKU: OKZ016