Koson 小原古邨 : 雪中の明るい小鳥と牡丹(売約済み)
作家:大原古邨 (1877-1945)
タイトル:雪中の日本ウグイスと牡丹 制作年:約1930年
鮮やかな緑と黄色の日本ウグイスが深い黒の冬空を背景にとまる劇的なデザイン。この鳥はNewland/Perrée/Schaapによってシベリアルリビタキと識別されていますが、ルリビタキは背中が深い青色であり、この作品の鳥はそれがありません。1936年の渡辺カタログ(番号O34)では日本のナイチンゲール、現在の日本ウグイスとして識別されています。日本ウグイス(Horornis diphone)は背中がオリーブブラウンで、腹部は柔らかな黄色を帯びることがあります。頭部と脚の色はこの古邨のデザインに近いものです。鳥の専門家であるニック・ハマタケ氏のご協力により、鳥のくちばしの形状や冬から早春の季節など多くの特徴から、これはほぼ間違いなく日本ウグイスであると確認されました。また、この鳥は春の訪れを告げる古くからの詩的な連想もあると指摘されています。
いずれにせよ、この版画は雪に覆われた枝の上の鳥が、巨大な赤い牡丹の花を守るテントのような覆いの上から覗き込む美しい姿を描いています。白い雪は漆黒の背景と劇的に対比し、花の深い色合いは暖かな春の朝のように誘いかけます。これは第二次世界大戦前に日本で収集された作品群からのもので、額装されていません。右下に渡辺「ワタナベ」の個人印があり、しばしば「贈呈」印と呼ばれます。紙質と印刷から、この販売者は戦前の印刷と判断しています。戦後の渡辺印はこの作品にはありません。非常に希少なデザインで、市場にほとんど出回りません。希少性と戦後の再版がないことから、このデザインの版木は戦争中に破壊された可能性が高いです。
状態:印刷と色彩は優秀、状態は非常に良好。左上に元の丸いシールの残りがあり、上部余白に小さな問題があります。
寸法:38.6 x 26 cm 出版社:渡辺庄三郎
印章:作家印 署名:松村
参考文献:Newland, Perrée, & Schaap, Crows, Cranes & Camellias (2001), チェックリスト番号 S26.1; 渡辺1936年カタログ 番号O34、99ページ。
SKU: KOS223