星 洋一：大杉の木（朝）

作家：星 洋一 (1913-1979)
タイトル：杉の木（朝） 制作年：1978

豊かで深みのある質感と複雑で重層的な色彩が目を引く、大判のデザインです。星はこの雄大な木に大きな重厚感を与え、上下をトリミングして焦点を作り出しています。背景も同様に魅力的で、黄色、オレンジ、青の顔料の層に銀と金が重ねられ、微妙な輝きを生み出しています。木が立つ大地はセルリアンブルーで、美しくブレンドされています。合板の木版を使った質感表現における作家の天才性は20世紀において比類ありません。星の独自の木版技法は、金銀箔の使用、油絵具の重ね刷り、そして炎で版木を磨くことを含んでいます。 室伏哲郎が作家の技法について記したように：「白く輝くバーナーの先端が、すでに彫刻刀で彫られた菩提樹の版木を舐めるように焼き焦がし、長く深い跡や時には短く浅い跡を残しながらあちこちを追いかける。星が観察者に語ったように、『このように焼くことで彫られた縁が自然に丸くなり、繊細な陰影が版画に生まれる』。」（『星洋一：全ての樹木木版画カタログ』12ページ）星の作品は写真に収めることがほぼ不可能であり、金属層が角度ごとに独特の光の反射を見せるためです。

状態：刷り、色彩、状態ともに優良。
サイズ：60.4 x 88.8 cm
出版社：作家自身による印刷。
参考文献：「星洋一：全ての樹木木版画カタログ」番号387参照。
印章：作家印 署名：鉛筆による星洋一の署名、タイトルおよびエディション番号付き

SKU: HOS074