Chikanobu: 膝の上で眠る猫を抱え新聞を読む明治の女性(SOLD)
絵師: 楊洲周延(1838-1912)
題名: 隅田川 制作年: 1890
シリーズ: 幻燈写眞くらべ
一人の女性が、模様入りの黄色いテーブルクロスがかかったテーブルにもたれ、髪飾りを何気なくいじりながら、読書に没頭している。彼女は左に身をかがめて新聞を読み、膝の上では猫がくつろいでいる。彼女が読んでいるのは、当時人気があり発行部数も多かった読売新聞かもしれない。中央の大きな画像は連載小説を示している可能性もあり、物語の巧みさを感じさせるように、女性は夢中になって読んでいる。円形の幻灯挿図では、冬の隅田川で舟に乗る女性が描かれている。おそらくこの女性は、この風景の中で冬に渡し舟に乗るヒロインを含む物語を読んでいるのだろう。投影したガラススライドを用いる幻灯は、明治期には「gentô」と呼ばれ、当時とても人気があり、教育教材としても使われていた。猫の毛には盲版が施されている。
V&Aのカタログではこのシリーズを「Daydreams by Magic Lantern」と訳しているが、これは通常「比較」または「競争」と訳される「くらべ」の訳としてはかなり異例である。もしかすると、女性たちが今いる場所と、なりたい場所を対比して示しているのかもしれない。
版元: 横山良八
状態: 摺り・色・保存状態ともに良好。挿図内の小さな斑点に、色移りと思われる箇所あり。
寸法: 大判 37.3 x 24.8 cm 署名: 楊洲周延筆
SKU: CHK080