小林清親:日本外史之内 後醍醐天皇(大蘇芳年倣の三枚続)
絵師:小林清親
タイトル:後醍醐天皇ー名和長重が後醍醐天皇を岸に運ぶー
シリーズ:日本外史之内
日付:1879年
清親による芳年のスタイルを真似た遊び心あふれる版画。
後醍醐天皇は名和長重によって運ばれています。彼らと行動を共にするのは兜をかぶった「名和長生」、「中納言忠顕(中納言は太政官の次官の意。名前は千種忠顕)」「名和長年」。それぞれの人物の上に赤い名札が配置されています。
倒幕計画を企てていた後醍醐天皇は鎌倉幕府によって隠岐島に流されました(元弘の乱(1331年))。しかし後醍醐天皇は千種忠顕とともに伯耆国(現在の山陰道に属する地域)の名和港に逃れ、名和長年とその一族に救出されました。(1333年)
この作品は後醍醐天皇の救出に関係していると思われ、水平線から進む三つの帆が見えます。
後醍醐天皇が無力な子どものように運ばれているのが興味深く、力強い武士がこの状況をコントロールしているように見えます。
寸法: 大判三枚続(各シート36.2 x 25 cm)
絵師:小林清親
版元: 松木平吉
サイン: 大蘇芳年倣 方円舎清親戯画
SKU: KYC482