Kiyochika 小林: 両国の雪中 (売約済み)

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作家:小林清親 (1847-1915)

タイトル:両国雪中 制作年:1877年

雪の降る両国の魅力的な夕暮れの街並み。西洋化による疎外感が忍び寄る様子が感じられ、登場する人物は皆、諦めにも似た孤独感を漂わせています。通りは賑わっていますが、誰もがどこか寂しげです。顔はほとんど隠されていたり、背を向けていたりし、唯一見える人物の表情はほぼ悲しげな諦念を帯びています。手前の人物は傘で顔が隠れ、背中をこちらに向けています。西洋の版画技法の強い影響も見られ、微妙なクロスハッチングや明暗法が用いられ、単一消失点も特徴的です。また、両国広小路の広い空間の道路の輪郭が描かれていないため、地に足がつかないような感覚も与えています。左の街灯はまだ灯っておらず、電信柱や街灯がデザインの重要な要素となっています。右側には薬局「御源根」の看板があります。この版画の初期の版はここにあるように、後に追加される底部のタイトルや署名がありません。1876年に木版画に出版者情報と発行日を記載する条例が施行されました。本作は東京の名所の一つであるこの景色を描いた作家の初期の代表作の一つです。

状態:非常に良好な刷り、色彩、保存状態。大きく清潔な余白があり、中央の折り目もなく、特に良好な状態です。 寸法:大判(25.4 x 37.5 cm)
出版者:松木平吉 署名:初版では通常通り無署名

SKU: KYC500