窪俊満 窪俊満:羽衣能楽からの二人の美女と能舞台の新年の摺物
アーティスト:久保春満(1757-1820)
タイトル:新年の摺物 二美人と羽衣能の能舞台屏風日付:寛政6年(1794年)、年
Gi-no-Tiger, 寛政6年 甲寅年 春正月
寸法:
18.5 x 25.3 cm
私たちの視点は、親密でやや神秘的な新年の光景を捉えています。左側の女性たちはおそらく自宅におり、左側には能楽「羽衣(はごろも)」の一場面を描いた一枚の木製の屏風の後ろに描かれています。
画面はこのプリントの大部分を占めており、後ろにいる女性たちはかすかに見えるだけです。 画面の向こう側で何かが起こっているのを見ているようで、視聴者には見えない何らかの動きに反応しています。青い着物の女性は畳の上に両手をついて体を傾けているようで、紫地に菊の模様の着物を着たもう一人の女性は左手を開いて今にも動き出そうとしているようです。彼女たちの隣には、小皿が置かれた三方台の高い膳があります。屏風は黒漆で縁取られており、その表面は 目立つ木目が見えます。釣り竿を持った象徴的な漁師の草のスカートを履いた漁師が近づいています 帯で結ばれた松の木は、天使の衣装である羽衣を象徴しています。物語の大まかなあらすじは次のとおりです。漁師が駿河湾に面した白砂と緑の松が広がる岬、三保の松原で天使の羽衣を見つけます。天使は羽衣を返してほしいと頼み、漁師は踊りを披露すれば羽衣を返すと答えます。羽衣をまとった天使は、富士山を背景に春の息吹に満ちた優雅で美しい踊りを披露し、優雅さと気品を兼ね備えた踊りから次第に壮麗な舞へと移り変わります。すると、多くの宝物が地面に降り注ぎ、天使は天に帰っていきます。
手前にやや斜めに置かれた大きな木製の屏風は、おそらくこの広い部屋での新年の祝賀を示しています。この場面には羽衣の持ち主、すなわち天からの天使は描かれていませんが、この構図は私たちの想像力を屏風の後ろで踊る天使へと誘い、二人の女性がそれを見守っている様子を思い起こさせます。(調査にご協力いただいた佐藤美智子氏に感謝します。)
状態: 優れた印象と色合い。良好な状態。左端にわずかな汚れと裏面にインクの書き込みあり。中央に折り目がありますが、ほとんど目立たず、下部のみに紙の欠けがあります。
署名:小佐堂 久保春満が 尚左堂窪俊満画 (赤い印章「俊満」付き)
SKU: SUR072