北画:土佐日記 鮑殻摺物

  • $5,900.00
配送料は購入手続き時に計算されます。


作者:葛飾北賀(活動期間1803年~1835年没)
タイトル:土佐日記シリーズ:古典物語(物語合わせ) 制作年:1809年

北賀は五青とも称され、北斎の初期の門人であり、精緻な摺物(すりもの)デザインで知られています。2000年の太田記念美術館のカタログ(Carpenter & Mirviss著、69ページ)によると、彼の作風は控えめな美学で、構図や遠近法の遊び、質感の対比、色彩の微妙な配色に長けていました。また、江戸と松本の狂歌師たちと親密な交流があったことも記されています。この見事に刷られた二枚貝の二つの視点を描いた作品には、テキストとイメージの間に複雑な連想が込められています。著者らによれば、タイトルは『土佐日記』に結びついています。 詩は金開楼清澄によるものです:

「年中の贈り物を/アワビの紐で結び飾り/女性はそっと/春の訪れを告げる」

この新年の詩は狂歌師清澄によるもので、江戸時代には贈り物にアワビの殻の紐が装飾として付けられていたことを示唆しています。

作品には貝殻の縁や柔らかな緑色の付着物、上部の白い殻の裏側に盲刷り(エンボス加工)が施されています。また、貝殻由来の胡粉(ごふん)白や柔らかな雲母(きら)が加えられています。二枚貝の裏側のぼかしは非常に繊細で豊かです。豪華でありながら控えめな視覚的詩情が、江戸時代の収集家が評価した詩との洗練された相互作用を支えています。

寸法:色紙判(21 x 18.3 cm) 署名:布袋北賀筆
状態:刷り、色彩、保存状態ともに優良。

SKU: SUR074