川瀬巴水:熱海錦浦(初摺り)

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絵師:川瀬巴水 (1883-1957)
タイトル:熱海錦浦
日付:1940年(昭和15年)

熱海の岩壁に立ち、打ち寄せる波の上に竿を伸ばす孤独な釣り人。彼は西洋風のオーバーコートと帽子をかぶっており、降り注ぐであろう水しぶきにも全くひるむことはなさそうである。
現在は海岸沿いに防波堤が設置される場所も多く、ここまでの景観を間近に見れるスポットは多くはないでしょう。
色褪せのない、柔らかなピンクと紫の色彩がこの作品を非常に印象的にしています。
右側で使用されている渡邊印は1930年から1942年まで使用されていた「渡邊庄三郎 縦長シール(ソーセージシール)」であることから、この作品が初摺りであることがわかります。
渡邊は今までほとんど使用していなかった朱色で押印をしています。おそらく彼は右下の繊細なピンク色をした波の花の邪魔をしたくなかったのでしょう。

コンディション:色、状態ともに良好。
寸法:大判(39× 25.8 cm)
版元:渡邊庄三郎
文献・展示:川瀬巴水木版画集(楢崎宗重解説・1979年刊行・No.362b)、川瀬巴水 The Complete Woodblock Prints(ケンダル・H・ブラウン著・ホテイ出版・2003年刊行・No.439)、シカゴ美術館
印:川瀬
サイン:巴水

SKU: HAC439H