国貞:小町洗書見立て
作家:歌川国貞(1786-1865)
タイトル:見立草紙洗; 見立小町の酒器洗い
シリーズ:当世七小町 当世七小町(とせいななこまち) 制作年:1857年
大川(川)に浮かぶ遊覧船の上で、女形の歌舞伎役者が小さな酒器を洗っています。彼らは美しい夏の着物を重ね着しており、袖の一方を川の上に持ち上げて濡らさないようにしながら微笑んでいます。上方には松の枝が見えます。
シリーズタイトル「七小町」は、平安時代の著名な歌人である小野小町(約825年~約900年)の伝説的な七つの物語(七小町)に由来します。このシリーズは、小町の七つの伝説それぞれに現代的なひねりを加えたもので、小町は比類なき美人としても知られています。七つの場面は「清水小町」「雨乞小町」「雄武小町」「草紙洗小町」「関町小町」「通い小町」「卒塔婆小町」です。各場面には通常、小町の和歌が添えられています。
このシリーズのデザインは伝説の七つの物語に基づいていますが、現代の歌舞伎役者を登場させて「現代化」されています。草紙洗の伝説は次の通りです:翌日に宮廷の詩歌合戦が予定されていました。大友黒主は小野小町の高い評判に勝ちたいと考える男性の競技者でした。彼は小町が詠む和歌(「真かなくに、なにをたねとて、浮草の、波のまにまに、老いしげらむ」)をこっそり盗み聞きしました。そして、その和歌を古典の万葉集にこっそり加え、翌日小町が万葉集から盗作したと非難しました。小町はただ草紙を水で洗い、その和歌が消えたことで彼の詐称が暴かれました。
状態:印象と色彩は優秀、状態は非常に良好。小さな折れ目あり。
寸法:大判(36.2 x 24.7 cm)
出版社:恵比寿屋庄七
印章:改印と蛇年6月の年号印
署名:豊国画
SKU: KUS596