吉田博:富士山頂上(山頂剣ヶ峯 Kengamine Summit)
作家: 吉田博 (1876-1950)
題名: 富士山頂(山頂剣ヶ峯 Kengamine Summit) 制作年: 1928
シリーズ: 富士十景
数人の登山者が立ち止まって休息し、息を整えながら、右手の雲に覆われた深淵を見渡している。左手には、山頂近くまで行きたいとばかりに見える登山者たちの一群がある。彼らの多くは、この巡礼/登山のために身につける、特徴的な白い富士登拝装束を着ている。この版画の日本語題名は、富士山の巨大な頂上火口のまわりにある八つの峰のうち最も高い剣ヶ峯の山頂へ向かっていることを示している。彼らが休んでいるのは、おそらく「馬の背」と呼ばれる、剣ヶ峯のすぐ下にある短いが険しい尾根のあたりで、標高は約12,300フィートである。この版画が発表されてから数年後の1936年、政府は剣ヶ峯の頂上に気象観測所の建物を設置した。つまり、時を超えた眺めに見える景色でさえ、版画が作られて以来、大きく変化しているのである。現在の景観には、富士山特別地域気象観測所を構成する多数の建物と計測機器が写っており、1928年にここから捉えられた、岩と空だけで構成されたこの眺めの大半を占めている。なお、吉田自身も、富士山の山頂は遠くから見るとほとんど平らに見えるが、間近で見るとギザギザとした鋭い峰々で形成されていると語ったという。 鉛筆サイン入り。生涯刷りを示す「自摺」の印あり。来歴: 故ハーバート・エゲノルフの個人コレクションより。
状態: 印象、色、保存状態ともに極めて良好。右側にごくわずかな小さな点が数か所あります。額装歴なし。 寸法: ôban (27 x 40 cm)
出版社: 作家自刷り。
文献: Abe catalog number 53. See National Museum of Asian Art, Carnegie Museum of Art, Honolulu Museum of Art. 印章: インクによる自摺(“self-printed”)と、左下に赤い作家印
署名: インクによる吉田(日本語)および鉛筆によるHiroshi Yoshida(ローマ字)
SKU: YOS244