広重:浅草金龍山

  • Please contact for price.

絵師:歌川 広重 (1797-1858)
タイトル:浅草金龍山
シリーズ:名所江戸百景
発行:1856年

この作品は広重の晩年に制作されたシリーズの中でも、最も有名で人気のある版画のひとつです。
私たちは浅草寺(浅草観音)の雷門入口に吊るされている巨大な赤い提灯を現在でも見ることができます。これは東京でも最も有名な場所のひとつであり、浅草の象徴でもあります。また今日において日本でも非常に人気のある寺のひとつです。第二次世界大戦中にほとんどの建物が焼失したため、昔の建造物がどのように見えたかを描写したこの作品はそういった意味でも貴重です。
金龍山浅草寺、その起源は628年に遡り、二人の漁師が網の中で小さな金の観音像を発見したところから始まります。のちに寺が建立されそこに祀られた観音像は何世紀にも渡り人々に愛されています。
吉兆を表す赤と白の組み合わせは、特に祝祭の場面で使用されます。提灯には朱色の顔料が選ばれ、酸化によってオレンジグレーになるように鉛が用いられています。これは外に吊るされた提灯が経年とともに変色する現象と同じです。
興味深いことに、広重は前景の雪道に人を描かず、なだらかな三角形の形に残しました。これは上の提灯の縄によって作られる逆三角形とのバランスを取る効果があります。
広重は作品が一見オフセンターであっても、内部の対称性と調和をとることができる天才でした。この作品がその効果を最大限に発揮するためには、この版画のように美しく真っ白な雪が必要不可欠です。

コンディション:優れた色合いと状態です。全体的に美しく清潔感があります。余白には切れていない押印があります。
寸法:大判(36.3 × 24.8 cm)
版元:魚屋栄吉
サイン:広重画
版元:改印、年月印(辰七・1856.7)
文献・展示:Hiroshige: One Hundred Famous Views of Edo: プレート99(ヘンリー・スミス著)、ブルックリン美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、大英博物館

価格: $29,000

SKU: HIR547